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OECD加盟国の年収推移

OECD(経済協力開発機構)は38カ国(2024年時点)からなる国際機関であり、経済成長、国際貿易の促進、生活水準の向上などを目的としています。

OECDのAverage annual wagesから各国の年収データ(購買力平価調整済み、米ドル建て)を使って、日本の停滞ぶりがよくわかるアニメーションを作ってみました。

年収上位5カ国と東アジア2カ国(日本、韓国)の推移

購買力平価調整しない米ドル建てベースで2010年に日本のGDPを抜き、世界2位となった中国や、2025年頃に日本を抜くと予測されているインド、2050年頃に日本を抜く可能性があると指摘されるインドネシアなどはOECD加盟国ではありません。

留意点

OECDの年収データの対象範囲

  • 正規・非正規雇用の区別はない:
    • OECDは通常、正規・非正規の区別をせず、労働市場全体を対象にして平均年収を計算します。一方、日本では雇用形態として正規雇用(常勤の正社員)と非正規雇用(派遣社員、契約社員、アルバイトなど)の区別がありますが、欧米諸国では、テンポラリーとは別に、常勤は雇用契約に基づいてフルタイムとパートタイムの区別がなされ、賃金や休暇、保険などの労働者の権利が雇用形態に関わらず同様に保証されている場合が多いです。そのため、多くの国では正規・非正規といった雇用形態の区別は明示されていないようです。
    • 日本では非正規雇用者の割合が高く、これが平均年収を押し下げる要因となっています(かる・ける)。あるいは、非正規も含む労働者全体で見れば、実態よりも高く表示されているとも言えます(YAHOO!ニュース)。

2023年時点の平均年収比較(購買力平価調整済)

国名米ドル建て円建て(1ドル=145円)
ルクセンベルグ89,76713,016,244
アイスランド87,42112,676,019
スイス83,33212,083,188
米国80,11511,616,715
ベルギー73,20610,614,848
韓国49,0627,114,051
日本46,7926,784,860

以上のデータは購買力平価調整されているため、日本の賃金は実際の数値より底上げされています。それでも他国と賃金格差が埋まらないなか、インフレが進み、購買力平価調整後でみても日本の生活者は苦しい状況になっていると言えます。

(参考)2023年時点の米ドル建て平均年収比較(購買力平価未調整)

順位国名平均年収(米ドル)
1スイス105,184
2アイスランド98,855
3ルクセンブルク87,488
4米国80,115
5デンマーク72,281
22韓国35,063
24日本32,409

購買力平価調整後で比較する意味

PPP(購買力平価)調整とは?

各国で同じ商品やサービスが購入できる価格を基に、各国通貨の価値を調整する方法です。これにより、単なる為替レートでは反映できない物価や生活コストの違いを補正します。例えば、物価が安い国では購買力が高いため、PPP調整後の値が高くなる場合があります。

なぜPPP調整後を使うのか?

  • 実質的な購買力の比較: 為替レートだけで単純比較すると、物価が低い国が不当に低い評価となることがあります。そこで、PPP調整すると、実質的な購買力に基づいて公平な比較ができます。例えば、日本の賃金は、PPP調整すると物価の安さを反映して数値が大きくなります。
  • 国際比較の精度向上: 特に経済力や賃金水準を国際的に比較する場合、PPP調整により正確な比較を行うことができます。
  • 単純なドル建てとPPP調整後の違い:(数値例)
    • 為替換算: 年収32,000ドル(約464万円、1ドル=145円)
    • PPP調整後: 年収38,000〜40,000ドル相当(約550万円〜580万円)。

「購買力平価調整済み米ドル建て」は、国際比較においては、単純なドル建てよりも、労働者からみて生活コストや物価を反映した現実的な指標といえます。

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