8月4日の投稿で、EPSには海外で得た利益も連結計上されるため、PERでみる限り株価は割高とはいえないと書きました。
しかし、株式時価総額を名目GDPとの対比でみたバフェット指標ではかなりの割高であることも8月1日の投稿で触れました。
PERとバフェット指標の大きな違いは、海外での利益を含めているかそうでないかの違いともいえます。国内企業の海外での売り上げの多くは現地のGDP押し上げに寄与するはずです。
そのため、海外展開している企業の株価の妥当水準を国内のGDPのみで見るのは不適切かもしれません。
なお、ここでは株価の妥当水準を考察しているのであって、国内の経済動向については別途考察する必要があります。
2023年までの世界GDP

世界銀行が世界各国と全体のGDPを1974年分から公表しています。現時点では2023年までしか入手できませんが、長期でみれば度々若干の調整を経ながら成長を続けています。
世界の株式時価総額

次に、世界の株式市場の時価総額を見てみます。これを指数化したものとしてMSCI ACWIとFTSE All-World Indexがありますが、どちらも同じ動きをしていますのでここでは前者のデータをinvesting.comから月次でとりました(2004年8月末から2024年8月6日終値)。
なおACWIとは、All Country World Index(MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス)の略称で、Morgan Stanley Capital International社が作成する、世界中の株式市場のパフォーマンスに追従する広範な株価指数です。先進国23カ国と新興国24カ国、計47カ国の株式市場をカバーしており、約2,900社の大型株と中型株で構成されています。
同指数は、先進国85%、新興国15%の比率で構成されています。国別では米国が最大の比重(約6割)を占めており、四半期ごとに組み入れ銘柄の見直しが行われます。先進国と新興国の両方を含む、世界の投資可能な株式市場の約85%をカバーしており、時価総額加重方式で計算されています。日本ではeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)など、ACWIに連動させるインデックス投信が人気です。
米国が6割を占め、その中でも米国巨大テック企業の時価総額が非常に大きいため、世界株への分散投資になっているかという点では問題がないわけではありませんが、世界の株式時価総額の動向をみるなら、これが適切でしょう。
世界株式時価総額÷世界名目GDP

investing.comからとれるACWIのデータは2004年からです。8月1日投稿と同様、データを得られるスタート時点を100として、ACWI、世界名目GDPを指数換算し、ACWI÷世界名目GDPを計算してみました。
年次データであるためデータ数が少ないので、ここでは単位根検定も共和分検定も行いませんでしたが、2023年末までのグラフをみる限り、一定のゾーンにデータが収まっているように見えます。
2024年8月に入り、世界的に株価が動揺していますが、これが大きな調整の始まりなのか、一時的なものかは2023年までのデータでみる限り判断できません。データが揃った時点で再検証してみます。


